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1986年、イタリアはローマのスペイン広場にマクドナルドがハンバーガーショップを開業しようとしてイタリア人の猛反発を買い、カルロス・ペトリーニさんらが故郷のピエモンテ州ブラにNPOスローフード協会を設立しました。
スローフードという言葉はよく聞きますが、どのような意味があるのでしょうか、まずスローフード宣言文を見てみましょう。
我々の世紀は、工業文明の下に発達し、まず最初に自動車を発明することで、生活のかたちを作ってきました。
我々みんなが、スピードに束縛され、そして、我々の習慣を狂わせ、家庭のプライバシーまで侵害まで侵害し、
ファーストフードを食することを強いるファーストライフという共通のウイルスに感染しているのです。
いまこそ、ホモ・サピエンスは、この滅亡の危機へ向けて突き進もうとするスピードから、自らを解放しなければなりません。
我々の穏やかな歓びを守るための唯一の道は、このファーストライフという全世界的狂喜に立ち向かうことです。
この狂乱を、効率と履き違えるやからに対し、我々は感性の歓びと、ゆっくりといつまでも持続する
楽しみを保証する適量のワクチンを推奨するものであります。
我々の反撃は、スローフードな食卓から始めるべきでありましょう。
ぜひ、郷土料理の風味と豊かさを再発見し、かつファーストフードの没個性化を無効にしようではありませんか。
生産性の名の下に、ファーストフードは、我々の生き方を変え、環境と我々を取り巻く景色を脅かしているのです。
ならば、スローフードこそは、今唯一の、そして真の前衛的回答なのです。
真の文化は、趣向の貧困化ではなく、成長にこそあり、経験と知識との国際交流によって推進することができるでしょう。
スローフードは、より良い未来を約束します。
スローフードは、シンボルであるカタツムリのように、この遅々たる歩みを、国際運動へと推し進めるために、
多くの支持者たちを広く募るものであります。
ニッポン東京スローフード協会編『スローフード宣言!』
@消えつつある郷土料理や伝統食を守る。
A質の良い素材を供給する小規模生産者を守る。
B子供を含めた消費者全体に味の教育を進める。
昨日、裁判の一審判決で、前、ライブドア社長、ホリエモンこと堀江貴文氏が2年6ヶ月という実刑判決を受けました。
ホリエモンといえば時代の寵児といわれ、一見、その経営スピードの速さは際立っていたと思います。裁判でも「成長企業と見せかけるための粉飾」が争点になっていました。
やったことに対する良し悪しは日本の司法に委ねなければなりませんが、企業家として成功を収めるために、現在の日本ではスピードというものは非常に重要な要素であると思います。実際に堀江貴文氏自身が「少し生き急いでいたかもしれない」というようなことも言っておられます。
また、日本の企業は、市場原理主義のもと、効率を追求しリストラなども行われ、大手企業を中心にようやく経済的には回復の兆しがあるといわれます。
その中で安倍内閣は、教育再生を柱とし、ある種の競争原理を持ち込む一方、美しい国づくりをうたっています。
さて、経済的な成功を収め、競争を勝ち抜くために必要なスピードと美しい国づくりは両立出来るのでしょうか?
昨年は、藤原正彦氏の「国家の品格」という本がベストセラーになりました。その中で、日本人が持っていたとされる武士道精神が最近はなくなってきているのではないかというようなことも書かれています。
同氏は「祖国とは国語」という本も書かれていますが、その中でも日本の文化の大切さと同時に日本人が古来より持つ情緒の大切さも述べておられます。
このような心というキーワードが注目されだしたのは10数年前、ちょうどバブルがはじけた頃と重なっている頃ではなかったかと思います。このころ「心の知能指数」という意味のEQという言葉が使われ始めたように記憶しています。
そして、昨今も食品業界初め企業理念(心)が問われるような問題がニュースにもなっております。
このように、様々な形でファーストライフの問題点も出てきています。
さて、ここまでの文章を読まれた皆様は、広島ラーメン太郎がスローライフ派だと感じられたと思います。
しかし、広島ラーメン太郎としては、スローライフとファーストライフが融合されたバランスが大切なのではないかと考えています。
確かにファーストライフにより日本は経済的発展を遂げ、それによって少なからず古き良き日本人の心を失ってしまったかも知れません。
しかし、時間に追われがむしゃらに働いた結果が現在の日本の、世界では有数の経済的発展を遂げさせ、私たちの暮らしを豊かにしてくれています。
特に、広島は昨年、原爆投下から60年を迎えましたが、その焼け野原からの復興は奇跡の復興といわれ、世界に誇るべき努力があったから成し得たことと思います。
このような努力を否定する要素は何も無いと思います。
そして、もしファーストライフよりスローライフが良いことだと皆が考えれば、その国は衰退していくということも容易に想像できます。
ファーストライフ(努力、競争)とスローライフ(豊かな情緒)は、相反するものではなく、両方を知ってより価値の高いライフスタイルを確立できるのではないかと思います。
このような考え方は、当然商品づくりにも生かされなければならないと思います。
例えば広島ラーメンは、「専門店の味がお鍋ひとつですぐできる、簡単調理のラーメン」というコンセプトですが
では、お鍋ひとつ約2分で出来る簡単調理の広島ラーメンは簡単調理のファーストフードな食べ物なのでしょうか?
そうではありません。広島ラーメンは元々、麺とスープは別々に作っていたのですが一緒に作ることによって、麺の旨みとスープが合わさり更に美味しくなるということがわかってから、現在の調理方法になりました。
その基になっているのは、麺に使っている材料の厳選があってのことです。
では、専門ラーメン店はどうでしょうか?ラーメンはファーストフードな食べ物でしょうか?
そうではありません。ラーメンは熱いうちに麺が延びないうち食べるという料理で、ゆっくり時間をかけて食べる料理ではありませんが、その一杯のラーメンを作るためにこだわりのあるラーメン専門店ではスープやチャーシューなどの仕込みに大変な手間と時間をかけています。
また、麺づくりではどうでしょう?おいしい商品を作るためには、原料を厳選することはもちろん、捏ね、寝かせ、熟成とより時間と手間をかけないとおいしい麺はできないというのは自然の摂理なのです。
ですから、商品づくりにおいても、スローフード、ファーストフードの融合はとても大切であると思います。
先日、広島ラーメン太郎の地元、大竹市主催の社会教育委員会議に出席しました。その中で、「朝ごはん運動」をしよう!ということになりました。
食育という言葉も最近よく言われますが、その基礎となる朝ごはんをちゃんと食べて学校にこない子供達が多いそうです。また、食べていても、それがファーストフード的な食べ物だったりするそうです。
朝ごはんの大切さは、10マス計算で有名になった広島県尾道市の小学校の先生でもあった陰山英夫氏もいっているとおり、健康面はもちろん脳の活性化にも繋がります。
また、朝ごはんをちゃんと食べていないとキレやすくなったり、情緒も不安定になりやすいと思いますので、そういった意味でお母さん(お父さん)が忙しい中でも、手軽に作れて健康的な愛情のこもった料理を朝ごはんに食べるということは、まさに、スローフードとファーストフードの融合運動とも言えます。
(2007.3.317)
−スローフード−
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